フケが気になるって、自分も不快だけど、周りを不快にさせてしまうものでもあり、ほんと困りますね。
黒っぽい服なんか着たら肩とか襟とかいっつも気になっちゃって。
どうしても不潔な印象になっちゃうし。
この頭皮のフケって、なんで出るんでしょう?いったい私の頭皮、どんな状態になってるんだろう?
フケが出る時の頭皮の状態はひとつじゃありません。
こちらでは、フケが出る場合の頭皮の状態についてみていきましょう。
頭皮のフケ、皮脂はどうなってる?
最近なぜだかわからないけど、フケみたいなのがポロポロと。。。
こうしたとき頭皮の状態はどうなっているのか?
まず間違いないのは、頭皮の状態が悪いってこと。
あなたの頭皮はいま、どんな感じですか?
油っぽいのか、カサカサなのか。
そう、フケが出る環境はどっちもあるんです。
・皮脂が多く分泌し過ぎている
・皮脂が少なくて水分不足に陥っている
頭皮の皮脂って、なんだか悪者のような印象がありませんか?
実は健康な頭皮をキープするために、頭皮はとっても大切な存在なんです。これが過剰でも、不足しても良くないんですよね。
皮脂が乾燥しているときのフケ
サラサラとしていて、これは表皮が乾燥してめくれて落ちたもの。
頭皮の皮脂が不足、バリア機能が低下して、水分保持がうまくできていない状態です。
乾燥していなければ、表皮の層がしっかり健康な頭皮をキープしているのですが、そのキープ状態に隙間ができてしまい、外からの刺激に弱くなってしまいます。
こんなときにフケが出るからとガシガシ頭皮をこすって洗えば状況は悪化してしまいますよね。
皮脂が多いときのフケ
ベタッとした水分のある大きめの塊となったフケになります。
これは、皮脂が過剰に分泌して、頭皮が炎症を起こすなどして本来剥がれるべきでない表皮の一部が剥がれてしまっている状態で、頭皮へのダメージも大きいです。
このフケタイプは脂漏性皮膚炎などの可能性もあり、皮膚科で診てもらうのがよいでしょう。
皮脂を落とそうと、1日数回シャンプーをするなどして皮脂を落としすぎると、皮脂が急に減少した状態を解消しようと、もっと皮脂が分泌されるなんてこともあります。
頭皮の皮脂の役割とは
頭皮をじっくり観察する機会はそうそうないですよね。
頭皮っていったいどうなっているんでしょう。
正常なとき、フケ症状のあるとき、頭皮では何が起こっているのでしょうか。
頭皮の1番外側にある表皮。
この表皮は何層にも分かれていて、その層のいちばん外側の組織がターンオーバーによって剥がれ落ちるのは正常な皮膚の生まれ変わりです。
このターンオーバーで表皮は1~2ヶ月の期間で剥がれ落ちて生まれ変わって、ということを繰り返しています。
この正常なターンオーバーが行われている場合は、フケ状のものは出て出ていません。実際には出ていても、目に見えるようなかたまりで落ちてくることはありません。
ところが、頭皮のひどい乾燥や皮脂が多いことで出るフケは、目につくレベルのサイズになっています。
頭皮に異常があってフケが落ちるということは、頭皮がボロボロ、バリア機能が低下しているということ。
このバリア機能は、加齢などでも機能が低下しています。
新陳代謝が衰えてくると、皮膚の生まれ変わるサイクルもこれまでのように活発には行われなくなっています。
子供の頃はすぐに治った傷も、大人になるにつれ治りにくくなるのもこうしたことの現れですよね。
こうしたことが重なって、30~40代になると、20代までは気にしたこともなかった頭皮トラブルが発生するという方が多いのでしょう。
頭皮のバリア機能
バリア機能を正常に保つために欠かせないのは頭皮の常在菌の存在です。
【マラセチア】
皮膚に常在しているカビの一種で、皮脂が栄養源。皮脂が増えると増殖して、増えすぎると皮膚に炎症を起こす原因となる。
【表皮ブドウ菌】
普段は表皮の健康を維持する役割ですが、皮膚の内部に入ってしまうと、皮膚病を引き起こす原因となる。
【ニキビ桿菌】
通気性が悪くて、脂が好物。毛穴に詰まった皮脂を栄養として増殖、ニキビやできものなどの原因となる。
「マラセチア」、「表皮ブドウ球菌」、「ニキビ桿菌」、これらの細菌は、表皮に常在していて、この細菌が持つリパーゼという酵素が頭皮の皮脂を分解して、汗や水分と混ざることで、「皮脂膜」を形成します。
この皮脂膜が頭皮や髪の毛を守ってくれているんです。
菌というと、嫌なものと捉えがちですが、この常在菌はバリア機能を正常に働かせるため、殺菌作用などもあり、頭皮にとってはなくてはならないものなんです。
ところが、これらの常在菌は皮脂を栄養源としており、頭皮が皮脂を多く分泌すると、大喜びでその皮脂をエサにして、どんどん増えてしまいます。
正常な範囲で常在してる分には、良い菌として働くのですが、増殖しすぎてバランスが崩れると、皮膚の中に侵入するなどして炎症を起こしたり皮膚疾患の原因となってしまうのです。
適度な皮脂も大事、常在菌も大事、だけど増えすぎると悪さするようになる。これって、腸内細菌みたい。
善玉菌、悪玉菌、日和見菌などがバランスを保っているうちはいいように作用するのに、悪玉菌が勢力を増し、バランスを崩すと、腸内フローラが悪化する、これと似ていますよね。
いつも肌表面にいて、普段は頭皮を守っているこれらの菌が、頭皮や髪の毛に対して悪さをするその背景には、皮脂の過剰分泌や皮膚の乾燥など頭皮環境の悪化が考えられます。
皮脂が過剰になれば、常在菌が増え、乾燥して皮膚の保水力がなくなりバリア機能が崩れると、常在菌が皮膚内に侵入しやすくなる。
頭皮を清潔に保つことも大事ですが、過剰に除去しすぎるのも良くないことがわかりますね。
また、皮脂が過剰に分泌されるようになると、血液中の遊離脂肪酸(中性脂肪が分解されてできる脂肪)の刺激を受けて、毛穴をふさぐ角質ができやすくなります。
頭皮や腸内、その環境を良くするのも悪くするのも、日頃のお手入れや食生活、生活習慣などが影響しやすいということがよくわかりますね。
頭皮のフケ、毎日シャンプーするべき?
これは、頭皮の状態による。と言えるでしょう。
乾燥しすぎなのに、毎日ゴシゴシシャンプーする必要はないかもしれないし、皮脂が多く分泌しているのに、湯シャンで何日も過ごす、なんてことをすると、頭皮に異常が出てもおかしくないですよね。
例えば乾燥がひどいのであれば1日シャンプーしないとどうなるか。
1日湯シャンで過ごしたらどうか、など試してみてもいいのではないでしょうか。
頭皮や髪の状態、食生活やストレス具合などで、その状況も様々ですから、みんなが同じケアでいいわけがありません。
偏りすぎず、適度に、症状に合わせてケアを心掛けることも大切ですよね。
皮脂が過剰に分泌され続ければ、常在菌が増殖しすぎるのですが、それを心配して皮脂を落としすぎるのもNG。
頭皮にトラブルがあるときのシャンプー選びは、とても難しいですが、皮膚が弱っている状態なのであれば、お肌に優しいシャンプーを選ぶなどの配慮も必要です。
シャンプーには、洗浄力や刺激の強い洗浄剤を使ったものも多く出回っていますので、見た目や人気ランキング、値段などだけで判断するのは考えものです。
ひとそれぞれアレルギーがあったり、お肌の状態も日々違うので、自分のその日の状態に合わせたものを選びたいですね。
まとめ
頭皮は常在菌や皮脂がバランス良く存在してくれることで皮脂膜を形成し、健康な状態を守ってくれています。
このバランスが崩れると、本来良い働きをしていたはずの常在菌や皮脂が過剰になるなどして、皮膚の炎症などのきっかけとなってしまいます。
皮脂が過剰でも不足しすぎても頭皮の環境にとってはよくありません。ベッタリしたフケか、サラサラしたフケか、そうしたことからあなたの頭皮の状態を把握して、間違いのないケアをしたいですね。
頭皮のバリア機能を正常にするためには、あなたの毎日のケアや食生活なども影響します。腸内細菌を気にする位に、頭皮の細菌にも気を配ってケアしてあげましょう。